最近、日が暮れるのがほんと早くなりましたね。
それに、あんまり言いたくないですが、
今年も3ケ月を切ってしまって、なんとなく気が急かされるというか、年末が近づいているな・・・と思うと精神的に追い込まれてきているのは気のせいでしょうか・・・(^_^;)
さて、秋は税務調査の時期といわれています。
相変わらずの不景気で、じりじりと経営が追い詰められてきているのが、顧問先の数値を見ると良くわかります。
なかなか自己資本を積んでいけない企業が多いです。
ただ、たまたま業績が2期連続でよかった企業がありまして、その会社の決算に向けての準備を今回は慎重に行いました。
業績が良かったのですが、それまでの経営が悪かったので、不良債権化したものが沢山ありました。
今回の決算では、この不良債権の処理に力を入れました。
銀行からも、「この辺のわけわからないものは・・・」と固定資産に計上している「長期売掛金」や「長期貸付金」についても指摘があっていたので、明確に会社の意思表示をしようという方向性で取り組みました。
法的措置をとるものと、放棄するもの、再度先方に取立てに行くものと3パターンに債権を振り分けました。
現在、二代目社長さんがきりもりされているのですが、あまりの多さにびっくりしておられました。
しかし、現実的に回収の可能性があるものが少なかったので、ほとんど価値がない債権をいつまでも大事に持っていてもしょうがないので、ここは、自己資本は減りますが、思い切って債権放棄をしてもらい、不良債権の圧縮を図り、決算書の数字を対外的にも評価を得られるようにしようと作戦をたてました。
収益力がついてきているので、今がチャンスです!
さて、利益が出ているのに、法人税の納税が少ないと、税務署が調査に来る可能性はかなり高くなります。
なので、何度も事前に作戦会議をやりました。
今回、貸し倒れ処理する債権がかなりあります。
貸し倒れにできる要件というのが決まっています。
今回採用するのは、法的整理で今期破産確定し割り当て以外の部分(回収不能になった部分)を貸倒損失で処理するものと、こちら側から「債権放棄」をするものと2種類あります。
(そのほかにも要件がありますが、詳しくは税理士さんに聞いてください。)
で、要注意なのは、「債権放棄」です。
債権放棄に至るまでの経緯がわかるものを残しておく必要があります。
また、決算日までに相手先へ「債権放棄」を通知しておかないといけません。
それを書留か内容証明で残しておくことが必要になります。
社内書類として『稟議書』が必要です。
※これまでの経緯と、放棄することに対する社長の承諾がわかるようにしておく
債権放棄通知書や稟議書は、インターネットで無料で書式をダウンロードできます。
気をつけなくてはいけないことがもう1点。
むやみやたらに「放棄」はできないということです。
回収不可能と判断される客観的根拠が必要です。
回収可能性があるのに、十分な取り立ての努力もせず、安易に放棄をすることは、相手に経済的利益をあたえ、こちらは「寄付」ととらえてしまうからです。
「寄付」はほとんど経費になりませんので。
なので、なぜに「放棄」に至ったかというものを資料として必要になります。
(稟議書にそのことを表示させておくとイイ。)
数字の中に潜んでいる「不良債権予備軍」にも注意してください。
こういうもの(不良債権)を優先的に処分してください。
自己資本は減りますが、決算書の貸借対照表やキャッシュは良くなります。
利益が出そうだからといって、支出することばかりでは、ぜんぜん手元にお金が貯まらなくなってきますので・・・。
結構ありますよ。不良債権を抱えた会社は・・・・。
『貸し倒れ処理』は事前準備をきちんとやっておくと、かなり有効に使えますので。
税理士さんをフル活用して会社にとってより有効な方法をとってくださいね!